こんにちは大阪京橋数学塾A4Uの六人部です。
開明中学入試過去問を扱っていきます。
今回はちょっと理科寄りの問題。
まぁ算数は理科の問題を計算するツールだったりするわけで、何がどうなれば理科ってこともないのですが、生活に基づく実体験が背景にないと解きにくいのが理科寄りの問題と言えるでしょう。
2018年度開明中入試1次前期大問4
問題
たて20cm、横30cm、高さ40cmの水そうがあり、高さ20cmまで水が入っています。この水そうにある大きさの球を1個しずめたところ、水面の高さが20.5cmになりました。このとき、次の問いに答えなさい。
(1) この球の体積は何㎤ですか。
(2) この水そうから球を取り除き、代わりに体積15000㎤の直方体を完全に沈めたところ、水が水そうからあふれました。その後直方体を取り出したときの水面の高さは何cmですか。
(3) (2)の後、この水そうに先ほどの球と同じ大きさの球を合計4個と、たて10cm、横10cm、高さ50cmの直方体を、正方形を下の面にしてしずめました。このとき、水面の高さは何cmですか。
詳しい解説
解説とポイント
$$\begin{eqnarray}&&\rm(1) 球を入れることで水の高さは0.5cm増えたので、\\[5mm]&&\rm球の体積ぶん水の高さが上がったと考えられます。\\[5mm]&&\rmよって、球の体積は\\[5mm]&&\rm\ 20\times30\times0.5=300(cm^3)\\[10mm]&&\rm(2) 水そうの体積は、\\[5mm]&&\rm\ 20\times30\times40=24000(cm^3)\\[5mm]&&\rm高さ20cm(半分)まで水が入っていたので最初にあった水は\\[5mm]&&\rm\ 24000\div2=12000(cm^3)\\[5mm]&&\rmこれと直方体の体積を合わせると、\\[5mm]&&\rm\ 12000+15000=27000(cm^3)\\[5mm]&&\rmよって、あふれた水は、\\[5mm]&&\rm\ 27000(水そうの中に入れた体積)-24000(水そうの体積)=3000(cm^3)\\[5mm]&&\rm残った水は、\\[5mm]&&\rm\ 12000(最初にあった水)-3000(あふれた水)=9000(cm^3)\\[5mm]&&\rmこれを底面積で割って、\\[5mm]&&\rm\ 9000\div(20\times30)=15(cm)\\[10mm]&&\rm(3) この問題はよく考えている子ほど悩むかもしれません。\\[5mm]&&\rm水が減ったところに球をしずめたら本当に全部しずみ切るのかな?\\[5mm]&&\rmなどと考えてしまうと迷宮入りします。\\[5mm]&&\rmそもそも、そこで悩むなら(1)でも悩んでるはずですからね。\\[5mm]&&\rm問題文にしずめたと書いてあるので、素直に完全にしずんだと考えましょう。\\[5mm]&&\rm本当は球の半径を求めて完全にしずむか考えなければならないのですが、\\[5mm]&&\rm球の体積は、\frac{4}{3}\times(円周率)\times(半径)\times(半径)\times(半径)と小学生には扱いづらいです。\\[5mm]&&\rmよって中学受験では問われません。\\[5mm]&&\rm少々脱線してしまいました。問題に戻ります。\\[5mm]&&\rm問題文のように直方体をしずめると水槽から10cmはみ出します。\\[5mm]&&\rmよって水そうの容積は,\\[5mm]&&\rm底面積が(20\times30-10\times10)cm、高さ10cmの柱体と見なせるので、\\[5mm]&&\rmここに球4個と残っていた水が入ると考えて、\\[5mm]&&\rm\ 300\times4+9000=10200(cm^3)\\[5mm]&&\rm高さはこれを底面積で割ればよいから、\\[5mm]&&\rm\ 10200\div500=20.4(cm)\end{eqnarray}$$
まとめ
どうでしたか?
理科でもありそうな問題でしたが解けたでしょうか。
このほかにも何題か解説しているので興味のあるかたはどうぞご覧ください。
≫『【開明中過去問】嘘つき問題』
≫『開明中学2018年度算数1次後期大問2(5)』
≫『開明中学2018年度1次後期大問2(2)』
≫『2018年度開明中学算数1次前期大問1 (3)』